記憶が新しいうちに、レースの振り返りを。
▼結果はこちら
まずは前編。
スタートからA3武尊牧場まで。
スタートーA1(12㎞)
スタートは5時。
前日は、実は、一睡もできなかった。
同部屋の相方のいびきがうるさく…消灯して3分後に大合唱スタート・・・
あーまじで蹴り飛ばしたい、と思いながら
5時間とにかく目を閉じて寝たつもりになった。
うん、たぶん寝れたから大丈夫。
と言い聞かせて、眠くない、眠くない、と念じながらスタート地点へ。
・・・やっぱり眠いわ。
この先の長旅に耐えられるのか不安をぬぐい切れぬまま
仲間との記念撮影などしながらわちゃわちゃしていると
あっという間に5時に。
あっけなくスタート。
A1まではだらだらとのぼり基調のロードと林道がほとんど。
途中の急登でなんどか渋滞がありましたが
そこまで待つことなくほぼ予定通りA1に到着。
7時7分。
まだ膝は、大丈夫。
A1-A2(28㎞)
A1からは剣が峰を超える。
いよいよ山岳パートに突入。
剣が峰までは5㎞ほどのぼります。標高は1000mほどアップ。
だらだらとのぼりますが、そこまで急には感じませんでした。
心拍数を上げないようにゆっくり歩いたつもりだったけど
こののぼりでかなり抜いたかな。
前を見るとずらっと続く人の道…
剣が峰からのくだりはこんな感じ。
前日までの雨で足元はかなりマッドなコンディションでした。
かなり脚を使う…
まだ20㎞くらいしか進んでないんですが。
この先まだ100㎞以上もあるなんて絶望的。
2㎞ほどくだるとこんな感じの林道に。
ここからだらだらと7㎞ほどくだる。
…膝にくる。
特にロードのくだりは衝撃が大きく、A2手前にて膝が悲鳴を上げだした。
A2には11時20分ごろ到着。
はやくも、膝が危うい。
一抹の不安を残し、とりあえず補給を短めに済ませA3に向かいます。
A2-A3(47㎞)
ここからは武尊山を超えるために、来た道を戻る。
残り100㎞。どこまでいけるか。
宝台樹のスキー場のくだりで、膝が終了した。
接地の衝撃に耐えられず、くだりが走れない。
いつもだったら余裕で走れるだらだらしたのぼりも、全部歩いた。
気持ちがどんどん後向きになっていく。
とぼとぼと歩きながら、なんとか武尊山への分岐へ。
このあたりから、急激に眠気が襲ってきた。
前日ほぼ眠れなかったので、どこかで来ると思っていたけど
予想外にはやくやってきた眠気と、痛み出した膝。
ここからまた1000m以上ものぼってくだって、
その先まだ100㎞近くも進むなんて考えられなかった。
ここからが負の時間。
「どこまでいけるかなー」
「いっぱい練習したのになー」
「くだれなかったらA3で、やめよう」
そんなことを何百回もつぶやきながらとりあえず脚を前に進める。
14時50分の武尊山分岐の関門は20分前に通過。
「もう無理かも…」
「次の関門、間に合うかな」
大好きな急登もまったくのぼれず
めずらしくどんどん気持ちがネガティブになっていく。
A3まではとにかく行かなくては。
その先進むかは、その時の状態で考えよう。
安全にくだれなそうだったら、今後のことも考えてリタイアしよう。
まだ40㎞しかきていないのに心も体もすでにギリギリ。
途中出会った仲間と励ましあいながらA3を目指した。
苦手なくだりにいつもの倍くらいの時間をかけて
17時すぎ、A3に到着。
もう、ぼろぼろだった。
決断
進むか、やめるか。
膝の状態を考えると、もう走るのは難しい。
のぼりと平地は歩けるけど、くだりは歩くのもやっと。
残す距離は80㎞とすこし。
いけるのか…?
ふとメッセンジャーを見ると
チームの仲間からの励ましのメッセージが入っていた。
みんなからのメッセージが温かくて
涙がぼろぼろこぼれてきた。
ここでやめていいのか…?
いや、ここでやめるわけにはいかない。
この1年みんなと一緒にたくさん練習してきて
まだ進めるのにこんなところであきらめちゃいけない。
よし、いけるところまで、歩こう。
歩いてどこかでタイムオーバーになったとしても
やりきったと思えたら、それはそれで納得できるはず。
相方にもそう告げた。
「もう走れないけど、タイムオーバーになるところまで歩いてみようと思う。また来年、リベンジになるかもしれないけど、最後までやり切るね。」
いそいで補給して夜間パートに備えてライトを装着。
いま思えば、ここでやめなくて本当によかった。
背中を押してくれた仲間には感謝しかない。
A3で出会った友人たちと先の健闘を誓い
まずはドロップバックのあるA5を目指して、旅を再開した。
▼中編につづく