さて、遭難の危機からまぬがれた壮絶な2日目を終え
最終日はいよいよフィニッシュの清里を目指します。
残りは20㎞。
もうゴールはほとんど見えている…!
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富士見平小屋~カーブミラー
富士見平小屋のカットオフは午前3:30
この時間までに小屋を出ないと関門アウトになる。
結局、ツエルトを張ってごはんを食べて寝たのは23時。
夜中にツエルトを倒されてしまい、24時に起床。
全然寝れなかったー…
もう一度寝ようと思ったけど外は再び雨。
いろいろ浸水してきて冷たくて寒くて寝られなかったので
とりあえずおかゆを作って食べる。
もはやはやくスタートしてフィニッシュにたどりつきたい。
一刻もはやく濡れた状態から解放されたい。
・・・でも結局スタートしたのは午前2時50分でした。
ことの顛末はこちらをご確認ください。
1人だったらあと5時間ははやくフィニッシュできたと思う。笑
まあ、それはいいとして。
瑞牆山からは前週に試走したばかりだったので
まっくらだったけど記憶を頼りに進む。
途中から崩落もあって道がわかりにくくなるけど
ピンクと赤のテープをたどっていけば大丈夫、とわかっていたので
慎重にテープを探しながら。
雨で岩がすべりやすかったのもあり、(うしろでもたもたしてる人もいて)
のぼりもくだりもなんだかんだでCT100%かかってしまった。
試走のときははしゃいでいた不動滝でしばし宇宙と交信。
(もたもたしてる人がいて)待ち時間が長いわりにあんまり寝れてないので
ふと目を閉じたら寝落ちしていた・・・
試走のときは丸太橋を渡ってみたけど
眠くて落ちそうだったのと、集中力がなくて危ないなと思ったので
カーブミラーまでは林道を選択しました。
林道、意外と長かったです。
カーブミラーには7時前くらいに到着しました。
カーブミラー~信州峠
ここからは地図読み区間。
来年以降出たいと思っている方の楽しみが減ってしまうので詳細は書きませんが
地図がちゃんと読めないと普通に迷います。(当たり前です)
コンパスと25000分の1の地図を持って、練習しておきましょう。
あと、地図に磁北線も書いておきましょう。
県境稜線といって尾根になっているのでわかりやすいかと思いきや
登山道ではないので行ってみたら進めなかったり、トラップがいっぱい。
試走のときに石っコツ手前で盛大にロストしたので
本番は慎重に確認しつつ。
(そっちじゃないんだよね~)
と、全然違う方向に進んでいる人たちを横目に見ながら2時間ほどでクリアしました。
この区間は人がほとんど入ってないだけあって
トレイルがふかふかで好きです。
信州峠~フィニッシュ
ここまで来たらもう残りは10㎞。
たったの!!10㎞!!!
なんですが、、残りの10㎞がたいへん手強い。
最後の最後まで永遠と続くアップダウンに、深い笹薮。
3時間くらいで終わるかな~なんて考えてましたが
結局4時間かかりました。
豆腐岩から平沢牧場くらいまでが、アップダウンが多いのと笹藪が深くて時間かかります。
最後のピーク手前で撮っていただいたもの。
よちよちおじさん、ならぬ、よちよちおばさんじゃないか・・・笑
(このとき相方ははるか後方、姿も見えません)
(さわやかに笑ってる時間あったら倍速で歩いて・・・)
飯盛山分岐、13時15分到着。
残りは2㎞。そう、たったの2㎞。
最後の2㎞は歩き走り。
ここまでの長い長い道のりを振り返りながらじっくりと
・・・といきたかったところけど
ふやけた足の裏が痛すぎて、涙目。
早く終わりたくて、靴を脱ぎたくてダッシュでおりました。
13時50分、フィニッシュ。
61時間と50分、120㎞獲得標高12000mの長い長い旅がようやく終わりました。
あきらめなかった先に見えたもの
やまない雨、7月とは思えないほどの寒さ、霧、
自分のいま持っている実力でいけるのかいけないのか、ギリギリのコンディション。
途中でやめる理由はやまほどあった。
けど、やめなかった。
可能性が少しでもあるのなら前に進もうと、最後まであきらめなかった。
「この道をフィニッシュまで進んだら、どんな景色が見えるんだろう」
ずっと、それだけを考えながら歩いていた。
あきらめず、最後まで歩き通した先に見えたものは
感動の涙でも、やりきったという達成感でもなく
「自分はやれば何でもできる」
という心のそこから湧き出る自信だった。
いろいろあるけど
冷静に1つずつ対処していけば、すべてなんとかなる。
きっと、人生も同じだ。
人の可能性は無限だ、とつくづく思う。
生きていれば失敗することもたくさんあるけど
できると信じてあきらめなければ、なんだってできる。
時間はかかるかもしれないけど、目指すところを見失わなければ、必ずたどり着ける。
そう気づかせてくれた今回の分水嶺。
亀さんランナーのわたしがここまでこれたんだから
きっと誰だって、そうだと思う。
また、次の目標にむけて頑張ろう。
たくさんのことを教えてくれた分水嶺に、心から感謝したい。
大会の運営にかかわってくださったみなさま、
応援してくださったみなさまにも、感謝の気持ちでいっぱいです。
また来年も来たいな~。
興味ある方はぜひ。
自分をひとまわりもふたまわりも、強く成長させてくれます。
これにて、分水嶺レポ、完。
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